ザ・フォーリナー/復讐者(監督:マーティン・キャンベル)でジャッキー演じるのはジェイソンがランボーか? ※ネタバレあり

色々と見どころはあるのですが、ジャッキーの渋い演技と、派手さや外連味を抑えたアクションにより本作は大人の作品に仕上がっていると思います。ソフトによっては「UDI」という架空の組織になっていますが、テロ組織は「IRA」、アイルランド共和軍であり、イギリスに今も根強く続く闘争を背景にしています。一方でクァンはベトナム帰りの特殊部隊出身らしいのですが、イギリスや中国の人達にはどうでもいいのか、あまり設定は詰められていません。とにかくすごい過去を持つ謎の男、的な扱いで、NASAが開発した、が売り文句の通販みたいなものですが、とにかく両者とも、過去からの因縁により日常がやおら戦場になるということを表現したいんだろうと思います。

そんな過去のいきさつや、現在の人間模様が入り乱れる作品なのですが、ジャッキーの特殊能力ぶりだけが突出して現実離れしています。まずどこから情報を聞きつけるのかヘネシーたちの先回りをします。多分何か盗聴や尾行をしているのでしょうが、とにかく仕事が早く、その仕事ぶりを見るものに感じさせない徹底ぶりです。また戦場では泥に薄汚れた装いが「13日の金曜日」のジェイソンのようで、その格好と索敵能力をもって、ジョン・ランボーばりの隠密からの戦闘能力を見せてくれるという盛りだくさんなキャラクターに仕上がっています。他の豪華な登場人物が真面目に演技しているだけあって、この設定、演出は際立っています。あれこれ語る気にならないくらい、理屈なしで一気見できる作品でした。